雁峠~倉掛山~鈴庫山 笠取小屋でテント泊(20年11月)
笠取小屋でテント泊して倉掛山から鈴庫山まで歩いてきました。
[目次]
ルート概要
今回は奥秩父の笠取山に登ってテント泊し、翌日に笠取小屋~白沢峠~倉掛山~鈴庫山まで歩くルートになります。
ゴールは柳沢峠の予定でしたが、バスの本数が少ない時間に当たってしまったので、大菩薩の湯まで舗装路を歩いたため2日間合計40Kmほどの距離になりました。
こちらが、今回のルートと標高差・距離のグラフになります。
スタートは山梨県の広瀬ダム近くの新地平バス停になります。
新地平までバスで行く場合は、
①JR塩山駅から山梨交通バスの西沢渓谷線に乗って新地平で下車
西沢渓谷 | 山梨交通株式会社yamanashikotsu.co.jp
②JR山梨市駅から山梨市営バスの西沢渓谷線に乗って新地平で下車
市民バス・民間バス - 山梨県山梨市オフィシャルサイト『誇れる日本を、ここ山梨市から。』www.city.yamanashi.yamanashi.jp
の2通りがあります。1便のバスを比較すると塩山駅からの方が40分ほど早く新地平に到着出来ます。(バス情報 2020年11月時点)
今回はJR中央線特急あずさを利用して山梨市駅まで行き、そこから山梨市営バスに乗り新地平へ向かいました。
1.新地平~亀田林業林道~雁峠
バスで新地平に到着したのは10時くらいでした。
初日の目的地は宿泊地(テント場)となる笠取小屋です。笠取小屋までは新地平から亀田林業林道を通って雁峠まで登り、その後少し歩けば到着します。
新地平バス停近くには公衆トイレもありました。体操など準備を整えて出発します。
まずはバス停から西沢渓谷方面に少し歩いて、鶏冠荘(写真の白い家)のすぐ先から分かれている小道へ進みます。
鶏冠荘は宿泊施設(旅館?)です。建物の裏側を回り込むように続いている小道を登って行きます。
小道を10分ほど進むと、亀田林業林道のゲートが出て来ます。ここは立入禁止と書かれていますが登山者は黙認されているそうです。地図にも登山道として載っています。ありがたいですね。
ただし「登山競争、トレイルランニング等の行為は禁止します。」と書かれています。よく分かりませんが、走ったり、競争するのはダメなようです。
ゲート脇から林道に入りました。
しばらくは車も通れるような林道を沢沿いに歩いて行きます。
ここは林道なので、作業していたり、ひと気があるかなと思いましたが、今回は作業中の人はいませんでした。沢の音はしていますが静かなので熊には注意した方がいいと思います。
あと、林道終点から雁峠の間は沢を渡渉する場所が何ヵ所かあるので、雨が降った後などは通らない方がいいと思われます。
しばらく歩きやすい林道を進んで行きます。
林道は沢沿いに続いています。
紅葉はほとんど終わりでしたが、色付いた木も点々とありました。
林道に沿って歩いているので迷いそうな感覚はありません。たまに、林業の為なのか道が分かれていたりしますが、進む方向の方がしっかりした道なので、間違えて進まなければ問題ありません。
点々と道標も立っています。
しばらく進んで、段々と道が細くなってきました。もう車は通れなそうです。この辺りが林道の終点かと思われます。
どこかで沢を渡るんだろうと思いながらも、しっかりとポイントが分かっていないので注意しながら進みます。
少し進んで開けた場所に出ると、渡渉ポイントがありました。石に巻かれたピンクテープの印が置いてありました。
流れが変わってしまえば、このポイントも変わると思いますが、今回は確かにここで渡るのがベストでした。水量が少ないので水に入らず石の上を歩いて渡れました。
その先も沢を挟んでそれぞれの木にピンクテープが付いているので、渡渉点が分かりやすかったです。
何度か沢を渡ったり渡り返したりを繰り返しながら登って行きます。ピンクテープが沢山付いているので、一番進みやすいと思われるルートで進めますが、念のため方向が合っているのか地図でも確認します。
1ヵ所大きな倒木があって、越えるのが結構大変でした。
今回は7回ほど沢を渡たりました。水が少なかったので全て石伝いで渡れました。
途中ピンクテープが思わぬ場所に付いていて、本当に渡る必要あるか?と思う時がありましたが、結局テープ通り進むのが一番ベストなルートでした。地図を見つつ、テープ通りに進むのが一番かなと感じましたが、流れが変わっていることもあるかもしれません。
沢は徐々に小さくなって、雁峠への登りになってきます。笹原が出てくると峠は近いです。
雁峠が見えました。木が立っているところが峠です。
雁峠に着きました。奥の三角の山が笠取山です。
ここまでスタートから2時間ほどでした。笠取小屋はもうすぐそこです。
2.雁峠~笠取小屋~笠取山周辺
雁峠から少し進むと雁峠避難小屋があります。ここはただの廃墟という感じです。笠取小屋はすぐそこなのであえて使う人はいなそうです。
そのまま進むと草原になってきます。笠取山と小屋方面の分岐があります。とりあえず先に小屋へ向かいます。
この日の目的地、笠取小屋に着きました。
まずテント泊の申込みをします。料金は1張500円です。申込みをすると管理人のおじさんが場所を指定してくれます。
こちらのテント場は広くて平らな場所が多いので使いやすいです。案内には20張と出ていますが、もっと張れると思います。
トイレはよく掃除されていてきれいです。
水場は小屋から少し下ったところにあります。雑味なくおいしい水です。
テントを張り終えて時間があるので、笠取山周辺へ歩きに行きました。
笠取小屋から笠取山へ向かいます。小屋の周辺は木が敷かれた道が整備されています。
少し先は草原が広がっています。奥の小高い丘は、小さな分水嶺という場所です。
この丘というかピークは分水嶺になっていて、雨は降った斜面によって多摩川、富士川、荒川に分かれて流れていくんだそうです。
小さな分水嶺から5分ほど歩き、笠取山の下までやってきました。山頂まではなかなか急登です。
一気に山頂まで登りました。ここはとても眺望が良いです。
この日は天気が微妙でしたが、天気が良ければ富士山や南アルプスが良く見えます。
先ほどの山頂から少し奥に進むと、もうひとつ山頂があります。こちらは埼玉県側の山頂ですが、眺望はいまいちです。
そのまま稜線を進んで、水干という多摩川の源流を見に行きました。
山頂から15分ほど下って水干までやってきました。ここが多摩川の源流になります。この日は、地面が湿っている程度で水が滴っているのは確認出来ませんでした。
水干から少し下れる道があるので、行ってみると水が流れ出していました。この水が多摩川として東京まで流れていく訳ですね。
笠取山周辺は水源の山を巡る散策道が整備されていて歩きやすいです。落葉松林や草原が広がっていて気持ちのいいところです。
周辺を散策して笠取小屋のテントに戻りました。
テントに戻ってきて夕飯を作ります。炊飯は成功しましたが、クッカーが1つだったのでレトルトカレーの温めに苦労しました。
ビールは小屋で買いました。空き缶は引き取ってくれました。
この日は夜に強めの雨が降りました。幸い気温は7℃くらいまでしか下がらなかったので寒くはありませんでした。
3.笠取小屋~白沢峠~倉掛山
団体がいくつか居て、テント場は結構混んでいました。昨夜の雨で濡れたテントに手こずりながら片付けました。
2日目は、まず白沢峠へ向けて歩きます。
小屋からしばらくは車も通れるような林道を歩きます。
落葉松林の雰囲気がいい感じです。
小屋から林道を3Kmほど進むとゲートが出て来ます。林道は左側へ続いていますが、ゲートの向こう側へ進みます。
少し進むと水場があります。水場といってもパイプから水が出ているだけなので飲める保証はないですが、私は大丈夫でした。
道の途中には古いトラックがそのまま乗り捨ててあります。
ゲートから先も昔は林道だった様な雰囲気がありますが、今は荒れてしまって車は通れなそうです。
登山道ですが、倒木があったりして荒れているところもあります。歩く人も少ないのかもしれません。
小屋から7Kmほど歩いて、白沢峠までやって来ました。
白沢峠といえば、このトラックのイメージです。実物を見れて何となく嬉しかったです。
白沢峠から先は、林道を歩いて倉掛山へ向かいます。尾根に沿って進むこともできそうですが、アップダウンが大きそうなのでやめました。
林道から離れて、倉掛山への登りが始まる辺りに日当たりの良いところがあったので、濡れたテントを乾かしつつ休憩しました。
休憩してテントも乾いたので、倉掛山へ登り始めます。ここは結構キツい登りです。でも防火帯なので眺めは良かったです。
反対側には富士山が出ていました。
倉掛山の標識は少し奥の方にあります。
木々の間から広瀬ダムの向こうに、木賊山など甲武信ヶ岳方面が見えました。
4.倉掛山~鈴庫山~大菩薩の湯
倉掛山から三窪高原へ向かいます。
防火帯に沿って尾根を歩いていきます。
日当たりが良くて明るい道です。進む方向には富士山が浮かんでいます。
奥多摩の方は何だか雲が多かったです。
ずっと防火帯の開けた道を進んでいきます。尾根沿いなのでそこそこアップダウンがあります。
しばらく進むと人工物が出てきました。
その先でソーラー発電がある場所に出ました。
ここからは南アルプスの眺望が良かったです。
ここは板橋峠です。車両進入禁止の為に柵が設置されていました。
板橋峠から三窪高原へ進みます。ここまでの歩きで足も疲れていました。峠から尾根の登りがなかなか急で辛かったです。
尾根に上がると、フラットな道になっていました。この辺りが三窪高原だと思いますが、確かに高原という感じの場所でした。
少し進んで電波塔が出てきました。ここの分岐を鈴庫山方向に進みます。
電波塔から先は木段が整備されたハイキングコースを通って鈴庫山との分岐まで進みました。
鈴庫山から先に道はないので、この分岐から山頂まで行って、またここに戻ることになります。
鈴倉山山頂です。
距離は短いですが木の根と岩が張り出た少し急な登りでした。
鈴倉山は高原の縁に飛び出た山という感じで眺望が良いところでした。霞んでしまって少し残念ですが、また天気の良いときに来てみたいです。
この後は柳沢峠へ向かいます。途中にあるハンゼノ頭からの眺めが良いそうです。今回は行きませんでしたが、次回は行ってみたいです。
柳沢ノ頭から柳沢峠へ下ります。甲府盆地が薄く雲海に覆われていました。
足も重くなってきました。柳沢峠からバスに乗るつもりだったので、あと少しの気持ちで峠まで下ります。
しかし、柳沢峠に着いた時間はバスが少ない時間帯でした、峠には食堂もあったので2時間半後のバスを待とうかと思いましたが、思い切って大菩薩の湯まで歩くことにしました。
柳沢峠から丸川峠経由で向かえば登山道を通れますが、また山に入る気にはならなかったので、道路を歩くことにしました。
大菩薩ラインと言われるこの道は、ドライブやツーリングにピッタリの広くていい道です。
この辺りの紅葉はちょうど良く色付いていました。
ただこの道は歩くべきじゃないと感じました。
麓まで10Kmほど坂道の舗装路を下っていくことになるので足裏がかなり辛くなります。しかも、ほとんど歩道はありません。
実は同じように歩いた方の記録を見ていて、バスが少なかったら歩こうと計画していたのですが、これはオススメ出来ません(笑)
この時は温泉に早く入りたい一心で舗装路を歩きました。大菩薩の湯が見えたときは嬉しかったです。
今回の山行は、2日間合計で約40Kmの距離でした。
2日目が約30Kmだったので最後の舗装路歩きで距離が延びた影響が大きいですが、メインの倉掛山~鈴庫山間はアップダウンがあってそこそこ体力が必要なコースだと思います。
今回の荷物はテント込みで13.5kgほどの重さでした。キツかったですが、初めての山々を歩くことができて、いいトレーニングにもなったので満足の登山でした。
参考にしていただければ幸いです。
5.今日の温泉
今回は大菩薩の湯に寄ってきました。
こちらは3度目ですが、お気に入りの温泉です。
Ph10.05の高アルカリ性の温泉です。肌がスベスベするだけでなく、とても柔らかく感じるお湯です。
またお湯の温度があまり高くないのか、そう感じるだけなのか分かりませんが、個人的に長く入っていてもあまりつらくなりません。ゆっくり浸かることができます。
こちらは、温泉以外にも物産品などのお土産が売っていたり、食堂などもあってゆっくりと過ごせます。
今回は残念ながら、バスの時間の関係で30分ほどしか居れませんでした。
バスでJR塩山駅まで戻り、駅前の夢乃家さんで山菜そばを食べて、特急あずさで帰宅しました。