【前編】甲武信ヶ岳 雁坂小屋でテント泊(20年10月)
甲武信ヶ岳に登って雁坂峠まで縦走し、雁坂小屋でテント泊してきました。(前編)
[目次]
ルート概要
東京から比較的近い百名山なので以前から計画していましたが、行こうと思うと天気が悪い日が多く、やっと登ることが出来ました。
今回は、山梨県の西沢渓谷までバスで行き、徳ちゃん新道~戸渡尾根を通って甲武信ヶ岳に登り、そのまま奥秩父主脈を雁坂峠まで縦走して雁坂小屋でテント泊し、翌日は雁坂峠から道の駅みとみへ下山するルートになります。
こちらが、今回のルートと標高差・距離のグラフになります。
スタートは山梨県の「西沢渓谷入口」バス停になります。
西沢渓谷入口までバスで行く場合は、
①JR塩山駅から山梨交通バスの西沢渓谷線に乗って、終点「西沢渓谷入口」で下車
②JR山梨市駅から山梨市営バスの西沢渓谷線に乗って、終点「西沢渓谷入口」で下車
www.city.yamanashi.yamanashi.jp
の2通りがあります。1便のバスを比較すると塩山駅からの方が早い時間に到着することが出来ます。(バス情報 20年10月時点)
私の家は山梨から遠いので、前日に仕事が終わってから八王子へ移動してホテルで前泊しました。GoToトラベルを利用して、クーポンで安く翌日の昼食など調達しつつ宿泊できました。
翌日の朝は余裕を持って、JR中央線特急かいじで塩山駅まで移動しました。
時季によって違うかと思いますが、この時間の塩山駅発のバスはかなり混雑します。ただ、この時は増発便があったので座席に座ることが出来ました。
そのまま山梨交通バスに1時間ほど乗って西沢渓谷入口へ到着しました。
1.西沢渓谷入口~徳ちゃん新道~甲武信小屋
西沢渓谷入口バス停に着いたのは9:30くらいでした。まずは川に沿って道を歩いて登山口を目指します。
少し進むと、ねとりインフォメーションがあります。ここにはトイレや登山届ポストなどがあって、体操をして準備を整えました。
準備も整ったので登山口へ向かいます。
バス停から1Kmほど歩いてきて西沢山荘脇の登山口に到着しました。今回は徳ちゃん新道で登ります。
登り始めはまだ急ではありませんが、すぐに急登が始まりました。ここから木賊山までひたすら登ります。
ところどころ緩やかになりますが、基本的にはずっと登りです。
徐々に紅葉が出てきました。この辺りから色付きがいい感じでした。
登山道には頻繁にヤスデがいました。
他の方の記録を見ると笠取山の辺りでは大量発生していたようです。今年だけなのか毎年なのか分かりませんが、この辺りでは結構発生するのかもしれません。
こうして見ると気持ち悪いですが、外で見ると変な虫だなくらいにしか思いません(笑)
ペース良く登れていますが荷物が重いのでなかなか疲れます。
少し進むとシャクナゲのトンネルが出てきました。
この辺りは特に紅葉が奇麗でした。
紅葉の中、急な登山道を登って分岐までやってきました。登山口からは1時間ほどでした。
ここまでは徳ちゃん新道か近丸新道を使って登ることが出来ます。
ここから木賊山まで戸渡尾根を登っていきます。この分岐は木賊山への登りのほぼ中間地点です。
徳ちゃん新道はここまでを指すと思いますが、戸渡尾根が徳ちゃん新道も含めて指すのかはよく分かりません。
木賊山は写真左の山になります。甲武信ヶ岳はあの奥なので登っている間は見えません。
分岐から先もまた登りが続きます。シャクナゲのトンネルのような登山道をしばらく進むと徐々に雰囲気が変わってきて、苔むした森になってきます。岩も徐々に出てきました。
しばらく登ると開けた場所に出ました。広瀬ダムが眼下に望めます。
この日は天気は良かったですが直前まで強風の予報が出ていました。この時はそこまで風は強くなかったですが、標高を上げたので徐々に気温が下がってきました。
先ほどの開けた場所で木賊山山頂はすぐそこかなと思いましたが、その後も地味に登りが続きました。
やっと破風山方面との分岐まで登りました。
10月の終わりでしたがもう雪が降ったようです。ここに少し残っていました。
分岐の辺りからは緩やかになります。
木賊山に到着しました。
登山口から2時間20分ほどで来れましたが、ひたすら登りでキツかったです。ここまで来れれば小屋はすぐそこなので小屋で休憩することにしました。
その先の開けたところでやっと甲武信ヶ岳が見えました。この眺めはよくガイドブック等で見るやつですね。奇麗な三角の山ですが、こうして登ってくると連なった山のうちの1つなんだなと実感しました。
ここから金峰山方面もよく見えました。
少し歩いて甲武信小屋へ到着です。
ここまで長かった!やっと休憩できる。と思って一段下のテント場の方で休憩しようとしたら、休憩だけなら小屋の前でしてね。と注意されました。
小屋前が結構混んでいたのでそうしたのですが、浮かれてました(笑)
実はこちらでテント泊を計画していましたが、予約がいっぱいでした。
コロナの影響でテント泊も事前予約が必要なため3日前に電話しましたがすでに埋まっていました。なので今回は急遽雁坂小屋泊に変更しました。
雁坂小屋にも念のため電話しましたがテントの予約は不要だそうです。テント場が埋まることはまずないと思いますが、今日の宿泊場所が確定している訳ではないので少し先を急ぎたい気持ちでした。
2.甲武信小屋~甲武信ヶ岳~雁坂小屋
小屋で20分ほど休憩しました。先を急ぎたいというのもありましたが、結構気温が低かったので座っていると体が冷えてしまいました。
小屋から山頂までは短いですが結構急な登りです。
10分ほど登って山頂近くまでやってくると金峰山方面が良く見えました。
甲武信ヶ岳山頂へ到着しました。徳ちゃん新道登山口から3時間ほどでした。
甲武信ヶ岳は日本百名山で、高さは2475mになります。山頂は山梨・埼玉・長野の県境になっています。ここまでは今回のように山梨側から登るほかに、長野県毛木平から登ることが出来ます。そちらの方が優しいルートのようです。
山頂からは三宝山方面へ少し下って、
分岐から再び甲武信小屋の裏手に戻ってきました。小屋の前を通って、ここに留まりたい気持ちを抑えて先へ進みました。
小屋から木賊山の巻き道を通って奥秩父主脈に合流し、まずは破風山を目指します。
少し進むと破風山が見えてきました。ここから破風山避難小屋まで一旦下ります。
この辺りは大きな岩と下に白い砂地が広がっていて何だか良い雰囲気でした。
徐々に雲が多くなってきて風も強まってきましたが、幸い雨が降る感じはありませんでした。
それにしてもこの辺りは木の立ち枯れがすごかったです。年中風が強い場所なんでしょうか。
破風山避難小屋まで下ってきました。確認してみるとここが最低鞍部のようです。
薪を作ってくれているのか作業されている方が1人いました。ここはきれいで雰囲気も良かったですが、泊まるのは避けたいところです(汗)
小屋から破風山へひたすら登ります。山頂に近づくと岩とハイマツが多くなってきました。
甲武信ヶ岳~雁坂峠では人と会うことはないかなと思っていましたが、この区間で10名ほどとすれ違いました。
避難小屋のことを聞かれたので泊まるのかもしれません。団体でならアリですね。
破風山山頂へ着きました。高さは2318mです。小屋からは200mほど登りました。
疲れたのでベンチで休憩しました。風が強くなってきましたが、ずっと動いているので寒くありませんでした。
ここには標識が沢山ありましたが、表記が「破風山・破不山」で分かれていて面白かったです。西破風山となっていますが、山頂はもう一つあるようなので向かいました。
もう一つの山頂東破風山です。西破風山からは15分ほど掛かりました。
こちらはあえて来た訳ではなく、主脈上にあるのでどちらにしても通る場所です。
甲武信ヶ岳方面を振り返ると、手前の山が西破風山のようです。思っていたよりも遠く見えます。
この日は、後は雁坂嶺に登って雁坂峠まで下れば、テント場となる雁坂小屋はすぐそこです。
東破風山山頂からは少し急な下りですが、段々と緩やかになってきます。この辺りの稜線はまた立ち枯れがすごかったです。
この時は15時くらいでしたが、風がかなり強くなってきました。
今回最後のピーク、雁坂嶺に着きました。稜線が県境なのでここにも2つの標識が立っています。山頂までは緩やかに標高を上げる感じでした。
後は雁坂小屋へ向かうのみです。
その先も相変わらず立ち枯れてました。
視界は良くなりますね(笑)
そのまま下って笹原が見えてくれば、もうすぐ雁坂峠です。
雁坂峠に着きました。時間は16時くらいです。
稜線は風が強いので早く小屋に着きたい気分でした。雁坂小屋はここから稜線の埼玉県側へ15分ほど下ります。
埼玉県側の斜面は北側になります。稜線から山梨側は風が強かったですが、こちらへ下ってくるとほぼ無風でした。ここまで違うのは驚きましたが良かったです。
雁坂小屋が見えました。初日のゴールです。スタートからは6時間ほど掛かりました。
疲れましたが、翌日は小屋から雁坂峠まで戻って、山梨側へ下山するだけなので気が楽でした。
甲武信小屋の予約がとれなかったのは想定外でしたが、ここまで来れれば2日目に余裕が出るので結果的に良かったです。
今回は長くなりそうなのでここまでが前編となります。
良ければ後編も見てください。