【後編】甲武信ヶ岳 雁坂小屋でテント泊(20年10月)
甲武信ヶ岳に登って雁坂峠まで縦走し、雁坂小屋でテント泊してきました。(後編)
[目次]
ルート概要
東京から比較的近い百名山なので以前から計画していましたが、行こうと思うと天気が悪い日が多く、やっと登ることが出来ました。
今回は、山梨県の西沢渓谷までバスで行き、徳ちゃん新道~戸渡尾根を通って甲武信ヶ岳に登り、そのまま奥秩父主脈を雁坂峠まで縦走して雁坂小屋でテント泊し、翌日は雁坂峠から道の駅みとみへ下山するルートになります。
こちらが、今回のルートと標高差・距離のグラフになります。
前編は、登山開始から雁坂小屋到着までになります。
3.雁坂小屋テント泊
雁坂小屋へ到着したのは16時くらいでした。まずはテントの申し込みをします。
料金は1張800円だったと思います。コーラも一緒に買いました。
この日は小屋泊の人も何人かいて、小屋の方では遅くまで宴会をしていたようでかなり賑やかでした。
こちらはこの「国道トイレ」が有名なところです。
現在は雁坂峠の下に国道140号線雁坂トンネル通っていますが、トンネルが開通するまでは雁坂峠を通って埼玉と山梨を結ぶ登山道が国道として認められていたそうです。その道にあるトイレということで、こう呼ばれる様になったようです。
来るまで知りませんでしたが、ちょっと面白いですね。
ただ、当時国道とされていた登山道とは違うという説もあるようです。
ちなみにトイレットペーパーは付いていませんでした。私は知らなかったので小屋で買いました。
菌に分解してもらう汲み取り式とのことですが、寒いので匂いは気にならず、良く掃除されていて綺麗でした。
あくまでもコロナ対策ですが、今回は除菌ジェルが置いてあったのがありがたかったです。
夜になってかなり気温が下がりました。寒かったので小屋でパックワインを買ってホットで飲みました。
夕飯には貰った期限間近の災害備蓄品が活躍しました。牛丼とアルファ米はこれから定番になりそうです。
夕飯を食べて時間があったので、小屋のすぐ近くの夜景スポットに行ってみました。
おそらく埼玉県熊谷の辺りと思われる夜景が奇麗でした。
その後はテントに戻って早めに寝ました。
朝目覚めるとテント内はほぼ0℃です。気温は低かったですが小屋の辺りはほぼ無風で、ダウンを着込んで朝まで熟睡出来ました。
テントの外が明るくなってきました。
小屋の近くで日の出を待ちます。
おお!日の出はいいですね~
両神山も朝陽で赤くなっていました。
ここは日の出スポットです。夜景と日の出それぞれスポットがあっていいですね。
ここのテント場は小屋のすぐ近くです。木を取り除いた尾根の平らなところを利用している感じでした。
思ったよりテント泊の人がいましたが、それぞれが平らな場所に張れるくらいでちょうど良い混み具合でした。
のんびり朝食を食べたりしていると、出発は8時くらいになってしまいました。ただ、この日は下山するだけなので余裕がありました。
ここのテント場はまた来たくなりました。小屋を出てまずは雁坂峠に登り返します。
4.雁坂小屋~雁坂峠~道の駅みとみ
小屋から雁坂峠へ戻ってきました。
雁坂峠は、南アルプス三伏峠、北アルプス針ノ木峠と共に日本三大峠の一つです。
雁坂峠を越える道は秩父往還と呼ばれ、古くから重要な道でした。日本書記景行記にも名前が出てくるため、日本最古の峠と言われているそうです。雁坂峠という名前は雁の群れが山越えをする時、この辺りを飛んで行ったことから名付けられているとのことです(案内板より抜粋)
日本三大峠の基準は分かりませんが、きっと歴史が古くて交通の要であることが重要なんだろうなと思いました。他の二つもいつか歩いてみたいです。
2日目は風も穏やかな好天で素晴らしい景色が望めました。
あとは道の駅みとみへ下山するだけです。
ここでゆっくりしていてもよかったですが、ちょうどいいバスがありそうなので早々に出発しました。
峠から谷底までしばらくは少し急な斜面を下りていきます。急ですが九十九折りに広めの道です。途中で沢を越える場所があります。
谷底に近くなってくると道は緩やかになります。この辺りから紅葉が鮮やかでした。
谷底を流れる峠沢まで下りてきました。後は沢に沿って登山道を下っていきます。
少し進むと峠沢を渡るポイントが出てきました。水は少なかったですが少し渡りにくい場所でした。
今回は石伝いに渡れましたが、雨が降った後はこの道は止めた方が良いと思われます。
さらに少し進むと、二回目の渡渉が出てきました。
ここは、沓切沢と峠沢の合流点になります。渡るのは合流点ではなく少し手前なので、水が少なければ難なく進めます。
そのまま谷沿いの道を進みます。反対側の斜面は綺麗な紅葉でした。
さらに進んでいくと3回目の渡渉ポイントが出てきました。今回最後のポイントです。
ここは岩肌を流れる沢を越えます。傾斜が結構あるのでロープが張ってあって、掴まりながら渡ります。今回は問題なかったですが、雨が降った時はここが一番難しいかと思います。
最後の渡渉ポイントを越えると、後は緩やかな道になります。
この道は、沢から高いところに付いている区間は、沢側が切れ落ちていたり、石が転がっていたり、倒木があるところもありますが、道幅が広くフラットな部分が多くて、渡渉を除けば歩きやすかったです。
沢沿いなので気持ちが良く、所々石積みがあって、何となく古くからの道の雰囲気も感じられました。
ちなみに「秩父往還」の「往還」は、人が行き来するため道、街道、主要な道。という意味だそうです。
雁坂峠から1時間ほどで沓切沢橋まで来ました。ここから後は舗装路なのでここで下山したようなものです。
舗装路を下っていきますが、紅葉が綺麗なので飽きません。
雁坂トンネルの料金所辺りまで下ってきました。
料金所脇の道をそのまま進みます。奥に見えているのは雁坂嶺だと思います。下ってきた山の斜面の紅葉が素晴らしいです。
こちらは鶏冠山大橋という橋のようです。下の道路を歩いて橋をくぐります。
その後分岐を間違えて少し無駄に歩きましたが、15分ほど歩けば今回のゴールである道の駅みとみに到着です。
今回は以前から登りたかった甲武信ヶ岳に登ることが出来て満足の山行になりました。
1日目は雁坂峠まで縦走したので少しキツい日程でしたが、奥秩父の稜線の雰囲気を感じることができ、今のところ一番低い気温でのテント泊を経験出来たのが良かったです。
何よりも良い天気と鮮やかな紅葉の中の山歩きは最高でした。
何か参考になれば幸いです。
その後は道の駅みとみから、山梨市営バスに乗って温泉へ向かいました。
5.今日の温泉
山梨市営バスに50分ほど乗って「隼上」バス停で下車しました。
今回は、はやぶさ温泉に寄ってきました。
こちらの温泉は、源泉かけ流しpH9.95のアルカリ性単純泉とのことです。シャワーやカランの水にも温泉が使われていて、体を洗っているだけで肌がスベスベしました。
お湯自体も良かったですが、浴室が明るくて何より岩風呂の露天風呂が素晴らしかったです。ゆっくり浸かって癒されました。
こちらは2時間、4時間、1日滞在で料金が分かれていて、食事処もあるのでゆっくりと休憩することも出来ます。
今回は、2時間コースを選んですぐに出てしまいましたが、それが間違いでした。
事前にバスの時間を調べていなかったので、次の便がちょうど行ってしまい、さらに次は2時間後になってしまいました。
仕方がないので塩山駅までの経路を検索してみると、歩きで1時間だったので、まあいいやと考えて歩いてみることにしました。
ワインのブドウ畑沿いの道は普段は歩かないので新鮮でした。
ただ、1時間はやっぱり長かったです。
途中でバスに乗ろうかと思いましたが、待ち時間を入れると、歩いても到着時間が変わらないのでそのまま歩きました(汗)
途中で昼食を食べようと思っていたものの、狙っていたお店は昼休憩に入っていて、結局塩山駅まで歩きました。
最後に想定外に体力を使いましたが、ブドウ畑の景色は新鮮で、ほうとうも美味しかったので良しとします(笑)
その後は、中央線特急あずさに乗って帰りました。