秋山山稜縦走 激アップダウンの低山歩き(21年2月)
猿橋御前山から中央線沿線に連なる山々を歩いてきました。
[目次]
ルート概要
今回歩いたのは、秋山山稜(山系)と呼ばれている山域で、相模湖から山梨側にJR中央線に沿って連なる山々になります。御正体山や杓子山などの主要な山々からは離れていますが、道志山塊に含まれる山域です。
今回は、JR猿橋駅からまず御前山に登り、そこから九鬼山~高畑山~倉岳山~大地峠まで縦走して、秋山温泉へ下山するルートになります。
1000mを越える山はありませんが、アップダウンが激しく、大変歩き応えのある山歩きになりました。
こちらが、今回のルートと標高差・距離のグラフになります。
1.猿橋駅~御前山~九鬼山
この辺りの中央線沿線には登りやすい山がいくつかあります。駅から近いのでバスなどを使わずに歩いて登山口まで行けることが魅力です。
今回も、最初に登る御前山まで猿橋駅から歩いて向かいました。
駅からスタートなので駅の施設を利用できるのもいい点です。自販機でドリンクを補給して、駅前のベンチで軽く朝食を食べて、体操など準備を整えてスタートしました。
猿橋駅南口を出て、まずは住宅地を少し歩きます。
住宅地を抜けたら、山の方向へ続く坂道を登ってトンネルを抜けると、すぐに登山口に到着します。駅からは800mほどの距離です。
登り始めは針葉樹の植林地のため少し薄暗いですが、すぐに明るい尾根に出ます。
木々の間からは中央線沿線の街が見下ろせます。奥には中央自動車道も見えます。
最初のピーク神楽山までは急な所もありますが、まだ登り始めなので快調に登ります。神楽山ピークは、御前山へ向かう登山道から少し離れるので踏みませんでした。
御前山山頂に着きました。ここは大月市秀麗富嶽十二景の10番山頂になっています。
特に全部を回ることを目指してはいませんが、これを回ってみるのも面白いかなと思い始めました。
御前山山頂は岩場になっていて、富士山の眺め以外にも丹沢の山々などの眺めが素晴らしい場所です。(写真は以前のものです)
御前山周辺には大きな岩が多いです。ただ、登山道は岩を巻いているので特に険しくはありません。
続いてのピークは沢井沢ノ頭です。
この後はこのように名前の付いているピークが沢山やってきます。ただ、名前のないピーク(起伏)もいくつも越えて行くことになるのでアップダウンが常にある感じです。
たまにやってくるフラットな場所は歩いていて気持ちがいいです。何となくこの辺りから低山縦走スタートといった感じです。
続いてのピークは馬立山です。
登ったなと思うとそこには標識が立っている。という感じです。今回のルートはこんな感じでいくつもピークを通過していくことになります。
次は札金峠まで下って九鬼山へ登り返します。
札金峠までは少し急な下りです。奥に見えるのが九鬼山になります。
札金峠まで下りました。札金峠が630m、九鬼山が970mなので今回のルートでは一番下って登る箇所になるかと思います。ただ、まだ始まったばかりなので快調に進みます。
山頂を目指して進みます。
登っている途中で富士山と三ツ峠山が見える場所がありました。いい景色です。
山頂が近くなってくると少し急な登りが出てきます。危険というほどではないですが、ここまでの登りでも、斜面のトラバースで道幅が狭く、下りてくる人とすれ違いにくいところがありました。
九鬼山頂に着きました。970mなので一気に眺めがよくなりました。
山頂からは、滝子山から黒岳や雁ヶ腹摺山などが良く見えました。小金沢連嶺へまた歩きに行きたくなりました。
九鬼山は先ほど歩いてきた御前山と共に大月市秀麗富嶽十二景の10番山頂になっています。今回のルートの中でも高い山の一つで、単体で人気の山になります。
ここまではスタートから2時間ほどで、距離的には4分の1くらいですが、とりあえず第一チェックポイント通過といった感じです。
2.九鬼山~鈴ヶ音峠~高畑山
九鬼山山頂から少し進むと富士見平という場所がありました。山頂から富士山は見えませんでしたが、木々の間から富士山が見えました。
次は鈴懸峠(鈴ヶ音峠)を目指します。峠までは久美山、大ビラ山、遅沢山、高指山、桐木差山を越えて行きます。
少し歩くと赤松が沢山生えているところがありました。間から富士山が見えて何だか良い景色でした。
大ビラ山の辺りは地味な区間でした。そもそも今回のルート全体が地味ですが(笑)
しばらく動物避けネットに沿って進みます。
地味というのは、植林地で針葉樹が多くて薄暗かったのでそんな印象になりました。
少し進むと間伐の為なのか印が付けられた木々がありました。
高指山が近くなると落葉して明るい森になってきました。
高指山山頂に着きました。ここまで結構登りました。疲れたし日当たりが良くて暖かいのでここで昼休憩にしました。風もなかったのでそのまま寝たいくらいでした(笑)
高指山で20分ほど休憩して先に進みます。次のピークは桐木差山です。
桐木差山から大きく下って車道に出てきました。車道との合流点の辺りが鈴懸峠(鈴ヶ音峠)になります。
ずっと山を歩いてきて車道に出ると文明に戻ったようで何となく嬉しくなります。とはいえこのまま下山する訳ではないので意味はないです..
少し車道を進んで、左側の分かれ道に進みます。
NTTドコモ無線中継所の専用道路のため関係者以外の通行を禁じます。という看板が立っていますが、地図ではこの道がコースになっているので進みました。
しばらく車道を進むと高畑山への登り口が出てきました。
特に書かれてはいませんが通行禁止は車だけのはずです。問題ないと勝手に決めて進んでいる訳ですが(汗)
登山に来ると進んでいいのか分かりずらい案内が結構ありますね。
登り口からまずは突坂山へ登ります。突坂山のピークは見落としただけかもしれないですが標識は見当たりませんでした。
突坂山ピークの先は明るくて気持ちのいい尾根でした。ただ、この先に見える大桑山への登りが急登でつらかったです。
ここまで歩いてきた疲労もあると思いますが、ここの登りはなかなかでした。
次は高畑山を目指します。
ここまで登りましたが、次のピークに向かうということは一旦下って登るということになります。当たり前ですが山頂を沢山通っているということはそれだけアップダウンが多いということになります(泣)
ただ、大桑・高畑山間はそれほど標高差は大きくなかったです。
少し進むと岩場の痩せ尾根が出てきました。短いですが少し通りにくい場所でした。
下にはゴルフ場があって楽しそうな声が聞こえてきます。標高は低いので下界から近い感覚で進めます。
高畑山山頂手前は落葉した木々が広がって良い雰囲気でした。
この縦走路は自然林が多くて良いルートだなと感じました。秋は紅葉が綺麗だと思います。
落葉しているので広葉樹だとは思いますが木の種類は分からず、木を見分けられるようになりたいなと思っている最近です。
少し登って高畑山に着きました。スタートからは4時間ほどでした。今回では2番目の高さの山です。
こちらは大月市秀麗富嶽十二景の9番山頂になります。中央線の駅から直接登ることが出来るので比較的人気の山でもあります。山頂には何人か休憩している人がいました。
残念ながら午後になって雲が出てきたので、富士山は頭しか見れませんでした。
3.高畑山~倉岳山~矢平山
高畑山から穴路峠まで下ります。
たまにやってくるフラットな区間は快適で気持ちがいいです。
比較的フラットな区間を進みますが、そろそろ足が重くなってきました。穴路峠の少し手前の天神山のピークで少し休憩しました。
休憩した天神山から少し下れば穴路峠です。ここは車道は通っていませんが登山道が通っていて鳥沢駅まで下ることができます。
鳥沢駅方面の街が見下ろせます。ここに限らず、今回は中央線沿線の街が見える場所が多かったです。
峠から倉岳山へ100mほど登り返します。気持ちのいい尾根を登っていきます。
倉岳山山頂へ着きました。990mで今回では一番高い山になります。
倉岳山は、高畑山と共に大月市秀麗富嶽十二景の9番山頂になっています。富士山は高畑山と同様に雲に隠れて見えませんでした。
今回は、4つ秀麗富嶽十二景山頂を通って来ましたが、それぞれが主要な山になるので、チェックポイントとして捉えて進むことができました。
倉岳山山頂から立野峠まで下ります。標高差は200mほどなので、結構急なところもあります。
峠が近くなるとフラットな道になります。
立野峠まで下ってきました。ここから梁川駅や逆側の浜沢へ下ることが出来ます。
今回はまだ先へ進みます。
少し進んで、ゆるやかに登ってに細野山のピークを通過します。丹沢の山が見えますが、雲がかかって雪が降っているようでした。
次のピークを目指して進みます。気持ちのいい尾根が続きますが、普段なら何ともないアップダウンも辛くなってきました。
程なくして鳥屋山に到着です。
次は寺下峠を目指しますが、その前に舟山のピークを越えます。
スマホのGPSを見ながら、次のピークを早く踏みたい一心で進みます。
船山に着きました。鳥屋山からは結構下って急な登り返しでした。
舟山のピークから、距離は短いですが一気に下って寺下峠まで下りました。
ここからも梁川駅方面へ下れるようです。
寺下峠からすぐに、ラスボス矢平山が見えてきました。
ルート設定的に、たまたま一番最後の高い山になったということもありますが、想定外に険しい山でした。
まずは、ラスボス前の丸ツヅク山に登ります。山頂を巻いて矢平山へ進むこともできますが、せっかくなので登ることにしました。でも、ここの登りはかなり急斜面で重くなった足にはかなりきつかったです。
そのまま、そこまで下らずに矢平山の登りに取り付きます。
この区間で、倉岳山以降久しぶりに登山者とすれ違いました。時間は15時くらいでしたが陽が陰り始めて、疲れもあったので何となく嬉しかったです。
いよいよ矢平山へ登ります。
一番登りやすそうなルートから少し外れてしまったので、斜面に生える木に掴まって登りました。疲れていなければ問題なかったと思いますが、想定外に険しかったです。
ロープが付いている斜面を登り切って少し進むと、矢平山山頂です。
単に最後に来た大きな山だったというのも大きいですが、今回で一番印象深いピークになりました。山頂は頑張って登った割に地味でしたが、倒木に座って少し休憩しました。
4.矢平山~大丸~秋山温泉
矢平山から150mほど下って大地峠まで来ました。ここが今回の縦走路を離れる分岐になります。後は秋山温泉方面へ下山するだけです。
ただ、少し進めばもう一つピークがあるので、せっかくなので登りました。
大地峠から少し登れば大丸に到着です。今回の縦走路最後のピークです。
ここから高柄山方面へ進めば上野原駅へ下山することができます。そこまで進んだ方が、秋山山稜を歩き切った感じにはなると思いますが、今回のゴールは別の場所に設定しました。
来た道を少し戻って、今回のゴールとなる秋山温泉への分岐まで来ました。ここからは縦走路を離れて下山します。
ずっとこの分岐を目指して進んできたので着いたときは嬉しかったです。とはいえ、まだしばらく山を下ります。
少し進んで車道に出ました。
ここからの下山も登山道だと思っていましたが、林道が整備されていてラッキーでした。
最近作られたばかりなのか、きれいに整備された道を進みます。
ただ、たまに出てくる分岐になにも案内がないので少し不親切です。入口には案内があるので分岐にも付けて欲しいところです。
足が疲れていたので、このまま林道で下山できるなら最高だなと思っていたら、道が終わってしまいました。ここから先は再び登山道です。
少し進むと金山峠です。ここから下山することもできますが、そのまま進みました。
その先で、デン笠と金ピラ山のピークを通ります。この辺りは想定外に険しくて、道が細いところもあったので少し危ない感じでした。特に落ち葉がたまって足元が分かりにくく滑りやすいので、多少注意すべき区間だと思います。
そのまま下っていくと、下山口への分岐に来ました。
害獣避けゲートを開けて下山しました!
今回はコロナの影響で1か月ほど登山を自粛していたので、久しぶりでかなり疲れました。下山して道路に降りたときは、いつもホッとしますが、今回は特に嬉しかったです。
今回は前から気になっていた秋山山稜を歩いてみました。ここは1000mを越える山はないものの、700mから950mほどの高さの山々が次々にやってきます。登って下っての繰り返しで、とても歩き応えのあるルートでした。
アップダウンと辛さを強調しますが、体力的にキツめなところを歩きたいだけなので仕方がないです(汗)
とはいえそれだけでなく、眺望や自然林の雰囲気など魅力もたっぷりのコースだと感じました。途中の山々だけでもおすすめなところでした。
良ければ参考にしてください。
道路に降りてきたので、今回のゴールである秋山温泉を目指して麓の街を歩いていきます。
15分ほど歩いて秋山温泉へ着きました。写真の橋を渡って左側へ少し進むと温泉があります。
温泉まで進むと、「コロナの影響で現在市民限定営業になっています。」という看板が立っていました。調べていなかったのが悪いですが、ここに寄る前提でルート設定したので、かなり残念でした。
まあ仕方がないので、今回はこのまま帰ることにしました。
秋山温泉前のバス停は、この時間はもうバスはないので、事前に調べておいた「奥牧野」バス停から、藤野駅行のバスに乗って帰りました。